六本木のＳＭ専用ホテル「アルファイン」。
その一室の扉を開けると、キミの目の前には今まで見たことのない世界が広がっている。

十字架、吊り用のフック、チェーンサスペンション、檻、馬、オープントイレ。
ロープ、手錠、ムチ、口輪、首輪、洗濯バサミ、そして、アイマスク。

床にはラバーが敷き詰められ、大きな鏡があり、金属が剥き出しの部屋は淫靡な匂いを充満させている。

これから、このお部屋で6時間。
キミは性の奴隷となるのだ。

キミの服装は、ブラウスにパンツルック。
私が指定したとおりの地味な服装だ。
指定どおりにTバックに脚を通してきたのかな。
急ぐことはない。そのうちに分かるさ。

キミはブーツを履いたままお部屋の中に足を踏み入れる。
まずは、服を着たままのキミを十字架まで連れて行こうか。

右手を右の手枷に。左手を左の手枷に。
そして、アイマスクをつけてあげよう。
次にアイマスクを外すとき、キミは淫らな姿で鏡に映し出される。そのときまで、キミは暗黒の中で私の責めを待つことになる。

ＳＭでも、プレイはキスから始まる。
最初はフレンチに。軽く唇を合わせながら、右に左に、キミの唇を愛撫していこう。
そして、舌先でキミの唇を舐めてあげよう。上の歯茎を、下の歯茎を優しく愛撫してあげよう。

キミの唇がおずおずと開く。歯の間から舌を挿入する。
期待と不安。キミは、これから経験する世界に胸を躍らせながらも、同時に恐怖心も抱いている。

キミに言おう。「舌をちょうだい」
控え目に突き出される舌。その舌を優しく愛撫してあげよう。
そして、吸ってあげよう。舌の裏も愛撫してあげよう。

軽い吐息。

私の指が、服の上からキミの身体をまさぐっている。
二の腕から脇の下。
脇の下から乳房の脇。
乳房を持ち上げるように揉みしだいてあげよう。
手の平で乳首を軽く撫で、手の平全体で乳房を愛撫していくよ。

私の指が下りていく。
わき腹。
腰。
ヒップ。
キミは舌を吸われながら微妙に身体をくねらせている。

パンツルック越しにキミのヒップの感覚が伝わってくる。
そして、キミが私の指定どおりにTバックに脚を通してきたことを確認する。

私の指が、
ヒップからわき腹の後ろへ。
わき腹から背中へ。
そして、うなじへ。

私のプレイは優しさから始まる。